2024・1.23 第189回 消費者大学講座 報告
テーマ:「日本の漁業の現状と展望」
講師: 丸山 泰史氏 (水産庁漁政部企画課 課長補佐)
日本の漁業は、資源の減少、魚離れ、漁業従事者の高齢化、自給率の低下など、多くの課題に直面しています。
講義では、それぞれの課題について問題点とその背景、そして解決に向けた取り組みについて詳しくお話を伺いました。
日本人の魚離れが進んでおり、2011年には肉類の消費量が魚介類を上回ったそうです。
その理由として、以下の点が挙げられていました:
①魚の値段が高い
②調理に手間がかかる
③骨が面倒で食べにくい
④食後のゴミ処理が大変で、匂いが気になる
また、嗜好の変化により、消費者が求める魚介類を国内だけでは賄えないことから、輸入が増えている現状も指摘されました。
さらに、日本近海では魚介類の資源量が著しく減少しています。その背景には、海水温の上昇による魚の生態系の変化、乱獲、そして適切な資源管理の不足が関係しているとのことです。
現在では、水産資源の適切な管理や漁場環境の保全に向けた取り組みが始まっていますが、持続可能な漁業を実現するためには、より一層の努力が必要だと感じました。
日本は四方を海に囲まれ、豊かな海洋資源に恵まれた国です。
この講義を通じて、これらの貴重な資源を次世代につなげていくために、私たち消費者ができることを改めて考えるきっかけとなりました。