2024.09.19 消費者大学講座報告
テーマ「食料政策と消費者の関りについて~これまでの取組と今後への期待~」
講師 池戸重信氏 弊センター代表理事(公立大学法人宮城大学名誉教授)
食料・農業・農村基本法が25年ぶりに改正され本年(2024年)6月に公布・施行されました。本法律は昭和36年制定の農業基本法からの流れを経たものです。本講義では、これまでの基本法における消費者の位置づけや経緯、そして課題などについての説明がなされました。具体的には、基本法に規定されている「消費者の食料、農業及び農村に関する理解を深め、食料の消費生活の向上に積極的な役割」とともに、健康のみならず食習慣、食品ロス、食文化等を含めた「健全な食生活」の実現のための「食生活指針」の意義、さらにその実践のための食育のあり方等について解説されました。課題としては、基本法で重要な役割を担っている消費者に対して、如何に「健全な食生活」及び「食生活指針」の大切さを理解し実践してもらうか、また、そのために、現行の低迷する食料自給率や国内農業の実情について、如何に実感を伴って理解してもらい協力してもらうかという実効ある食育の実現等が挙げられました。